宅配♯9 経費について
今回は業務委託契約の【宅配ドライバーの経費】(※1)について記していきます。
【※1経費=業務で発生する費用のこと。】
業務委託契約の宅配ドライバーとしてたくさん稼いでも全てを自分のお金にすることはできません。
稼いだ売上金から中抜き額やその他の経費、税金などを支払った残りが自分のお金となります。
(稼いだ年の税金を支払うのは翌年の3月頃の確定申告をした後です。)
では、初めにトマトが宅配業で実際に使っていた経費について紹介していきます。
トマトは仲介業社Aでの郵便局、仲介業社Bでの佐川急便の経験があるので2通りの紹介です。
郵便局を仲介してくれたA社は、配達完了単価が135円と安めではありましたが、仲介手数料や車の任意保険代などはA社が負担してくださっていました。私は軽バンを持っていなかった為、A社に車を借りていましたが、なんとそのリース代も月20,000円というかなり破格なお値段でした。
もっと驚きなのはオイル交換など車のメンテナンス代もA社が負担してくださっていたので、A社仲介の郵便局宅配で自分がA社に支払う中抜き額は駐車場代とガソリン代くらいでした。
では、佐川急便を仲介してくださったB社ですが、配達完了の単価がA社よりも25円も高い160円とかなり良く、
1日につき同じ配達完了100個でも2,500円の差が出るので同じ条件だった場合ひと月(26日出勤)で6万5千円ほども差が出る為、稼げるかもと期待は大きかったです。
しかしB社に支払う中抜き額はかなり多く、期待とは裏腹に手取り額はかなり少なくなりました。
何をB社に支払っていたか詳しく説明すると
ロイヤリティと言う名目で月売上の10%(月売上416,000円であればロイヤリティは4万1600円)、事務手数料が27,000円、貨物保険6,000円、車両保険7,000円、任意保険13,050円、リース車両38,500円などでした。
そしてこの金額は毎月支払う額です。
月売上416,000円の場合は、合計で13万2,650円も売上から引かれてしまいます。
A社でひかれる中抜き額の合計が2万円なのに対してB社は報酬単価が少し良くても中抜き金額が11万円以上高い為、B社の方が手に残る金額は少なくなってしまいます。
以下の表では簡単に手取り額の違いを比較してみました。
配達完了1個の値段が安くても手取り額はA社の方が多いです。
このように、どこの仲介企業と契約するかによって自分の手取り額はこんなにも差が出てしまいます。
ここからさらにその他の経費(ガソリン代等)と税金を引いたものが、自分の手取りとなるのでB社のようなところから仕事を頂くと毎月40万円稼いでも予定納税額を引いて月収がだいたい20万ぐらいになってしまいます。
業務委託契約をする仲介企業を賢く選ぶことが宅配で稼ぐという観点では本当の本当に1番重要と言っても過言ではありません。
最初の段階で取引する仲介企業を間違えれば、その後どんなにたくさん配達完了を増やしても自分の手取りは少なくなってしまいます。
宅配の業務委託を始めたい場合は仲介企業の面談や説明会に少なくとも3社くらいは行って、自分が納得できる企業様を是非見つけてください。
また、一般的に宅配で使用される経費を元に【経費試算表】を作成してみましたので、こちらも参考になれば嬉しいです。
車両の用意の方法には自分で用意する他、仲介企業や一般のリース企業から車をリースする方法などがあります。
※減価償却とは:一定金額以上の経費で購入した場合はその物の耐用年数を元にしてその年数で経費金額に上限ができること。
※この例は車検や自動車税等はリース代に含まれているプランのリース契約で車両を用意した場合です。
減価償却など少し難しい単語も出てきますが、『経費計上できるもの』等と検索すると税理士さんなどがYouTubeやブログで詳しく解説してくれているものがあると思いますので、是非そちらをご確認ください。
多くの宅配ドライバーさんは毎月の経費は上記の表のような金額になると思います。そして、税金は月に換算するとだいたい5万円くらいの方が多いかと思います。
(税金についてしっかり想定しておきたい方は『個人事業主 税金シュミレーション』と調べると弥生さんなどのサイトで来年の納税額の予想をシュミレーションすることができます。)
上記の表の例で出した経費の予定出費額と予定納税額を合わせると、毎月自分の売上から15万円くらいを引いた額が自分の手取りという感じになるかと思います。
(⚠️詳細はご自身で上記の表などを使用してしっかりシュミレーションしてみてください。)
表の例の通りであれば月収35万円欲しい場合、毎月売上が50万円必要になります。1個150円の成果報酬であれば月に3,333個以上配達すれば達成です。
(26日出勤であれば、1日128個以上配達完了が必要です。)
上記のA社のような企業は滅多にありませんが、見つけられると経費の総額は中抜き額と合わせて10万円くらいに抑えられるのでとてもおすすめです。
これから宅配を業務委託契約で始めてみたい方の参考になっていれば幸いです。いい仲介企業様と契約できることを願っています。
それでは経費については以上ですが、今回あまり説明することができなかった税金について次回の項目では【♯10 所得と手取りについて】を説明します。
ご興味のある方はぜひご参考程度にご覧ください。